「ちょっとスチュワーデスさん!席を変えてちょうだい!!!」
ケプラヴィーク国際空港発の混んだ飛行機の中で、白人中年女性の乗客が叫んだ。
スチュワーデスは言った。 「何かありましたか?」
「あなたなんでわからないの?」
「黒人なんかの隣には座りたくないのよ!」
「こんな人迷惑だわ!」
女性の隣では、黒人男性が憮然とした顔で座っている・・・。
「お客様、少々お待ち下さいませ。空いている席を確認してきます。」
乗務員は足早に立ち去り、周囲の乗客はざわざわと不穏な空気になっている・・・。
しばらくして乗務員が戻って来た。
「お待たせしました。ファーストクラスにひとつ空きがありますので、どうぞそちらへ。
本来ならこういうことはできないんですが、隣の席がこんな人では確かに迷惑でしょうと、
機長が特別に許可しました。さ、どうぞ」
周囲の乗客は、
にこやかに黒人男性を見送った。