ちょっと休憩。。。

以前、可愛がってた猫の「めけ」が死んだので、ペット葬儀屋で火葬してもらった。

 

 

 

遺骨はずっと部屋に置いておいたんだけど、やっぱり埋葬した方がいいかなと思って、

近所のペット霊園の合同慰霊祭に出すことにした。

 

 

 

合同慰霊祭とは言っても、広い御堂でちゃんとお坊さんが来てお経を上げてくれる本格的なもの。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

手続きをしたときにペットの名前欄があったので、

フルネームである「めけめけ王子3世」と記入した。

 

 

 

で、合同慰霊祭が始まり、私は最後列に座った。

 

 

 

 

 

 

御堂には50人くらいの人達がいて(ほとんどが喪服着用)、神妙な顔でお経を聞いていた。

そのうちにペットの名前が1匹ずつ読み上げられ、

「ジョ~ン~、ベンジャミ~ン~、た~ま~ちゃん~・・・」と続いた。

 

 

 

 

 

 

この時点で付き合いで来ていたと思われる、数人の肩が震えだした。

 

 

 

 

 

 

やばいな~と思いつつ「めけ」の順番を待ったら、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

案の定

「め~け~め~け~お~う~じぃ~、さ~ん~せぇ~」

と読み上げられた。

 

 

 

 

 

 

 

何人かが吹き出したが、泣いてるふりでごまかしていた。

たまにおふざけなブログをお許しください・・・。

実は!!!

俺は理容師、しかもちょっと特殊な髪切り屋さんだ。

 

 

 

俺のメインは病院や施設に行って髪を切るんだ。

だから色々な患者さんと接する機会が多い。

以前は髪を切っている途中に患者さんが急に意識朦朧となったり、
急に発作が起こったり、また精神的に不安な患者さんの場合は急に泣き出したりと 
なかなか大変だ。

 

 

 
いちいちそんなハプニングを気にしていては仕事がまわらない。。。

自分でも思うんだが、最近強くなったと思う。

 

 

 
そんなとき、新しい病院と契約がとれて行った時の話。

 

 

 
俺は一人の50代くらいかな?それくらいの小柄な男性患者の髪を切ることになった。

病院には専用のシャンプー台が付いているのだが、
髪を切る椅子なんて普通のコロコロ椅子だ。もちろん鏡も大きいのはない。

 

 

 

それはそれでいいのだが、このお客さん ちょっと変・・・。

いや変だなんて言ってはいけない。

何がおかしいかって 額にペットボトルのキャップを付けているんだ。

ボタンのように。

 

 

 

俺は最初気づかぬふりをしていたのだが、
その患者さんんは気になるのか鏡に映る顔をみて、そのキャップを回したりしている。

俺らが普段帽子の位置を確認するように、丁寧に丁寧にちょっとずつ調整しているんだ。

 

 

 
さすがに気づかぬふりもいけないだろうと思い、俺は

「何付けてるんですか?」

と尋ねてみたんだ。

 

 

 
すると男性は嬉しそうに

「どう?似合う?」

なんて聞いてくる。

 

 

 
俺は聞いちゃいけない人だったと自分に反省した。

きっとこの人は精神的な病気で入院しているんだ。

ごめんねと思い

「とてもよくお似合いですよ♪」

とあたりさわりのない相槌を打つのだった。

 

 

 

するとその言葉に喜んだ患者さんは

「兄ちゃん気に入った!」

「好きなやつを選べ!」

と俺にポケットから取り出したペットボトルのキャップを見せた。

 

 

 

俺はやんわり断りたかったのだが、
以前患者さんの要求を断ったら急に泣かれたことがあったので、ありがたく?いただくことにした。

「じゃぁ俺はコカコーラで!」

俺はコーラのキャップを受け取るとポケットにしまおうとした。

 

 

 

すると男性患者が

 

 

 

「こらぁ!兄ちゃんもつけろ!」

「人からものをもらったらぁぁぁぁ!!!」

と急に興奮状態にさせてしまった。

俺は大慌てでもらったコーラのキャップを額に付けた。

 

 

 

周りからみたら異常な光景だったろうと思う・・・。

二人のおっさんが額にペットボトルのキャップをつけて鏡の前に立っているのだから・・・

 

 

 

それから時間が流れ、散髪も終わりにさしかかったところ、

男性の奥さんらしき人が現れて、

 

 

 

「こらぁ!あんた!」

「また床屋さんに何てことさせてるのよ~!」

と男性患者に言ってきた奥さんを見たら

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

髪に弁当なんかに付いている緑の草みたいなやつを飾っていた。

ファミレス。。。

昨晩、大好きなガスト行ってきました・・・。

こんな事があったんです・・・・・・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

隣のテーブルに、親子が座りました。
妙に若作りしてる茶髪のお母さんと、中学一年生ぐらいの兄、そして小学校低学年ぐらいの妹です。

まあ、どこにでもいる家族連れだなあぐらいにしか思ってなかったのですが……驚きました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

母 「早く決めなさいッ!ったく、トロいんだから!」
お母さんが、すんごいキレてるんですよ。

子どもが何をしても、怒鳴りつけるんです。

 

 

 

 

妹「それじゃ、わたしカレーにするー」

母「そ。わかった」

妹「わたし、カレー好きー」

母 「うるさいな! そんなこと聞いてないよ?!」

カレー好きって言っただけじゃん!なんで、怒鳴るんだよ?!(僕)

お兄さんの方は、もうこのお母さんに呆れてるのか、

兄「…………」

無表情でソッポ向いたまま、一言も喋ろうとしません。
注文を決める時もメニューを指さしただけ。
関わり合いになるのを、極力控えているみたいです。

 

 

 

 

料理が届いてからも、お母さんはキレっぱなし。

妹「いただきまーす」

母「黙って食べなさい」

妹「・・・・・ショボーン・・・」

兄「・・・・・」

ただカチャカチャと鳴り響く、食事の音・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さっさと自分だけ平らげた母親は、タバコ吸いながらケータイをいじり始めました。

やるせねぇ(僕)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

すると突然、妹が明るい顔をして口を開いたんです。

妹 「あ、そだ、お母さん! 聞いて聞いてっ!」 
  「あのね! えとね! 今日、学校でね、とってもいいことが……」

母 「うるさい! 食べてる時は騒がないの! 周りの人に迷惑でしょ!」

ちっとも迷惑じゃないよ! 

うるさいのは、アンタだよ!

むしろ、そのコの話、聞いてあげてよ!(僕)

怒鳴られてびっくりした妹が、カレーをテーブルにほんのちょっと落としちゃったんですが…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

母 「あーもー! 汚いな! なんでちゃんと、食べられないの?!」

「綺麗に食べなさい! 綺麗に! あーもームカツク!」

烈火のごとく、怒る母。

そんなに怒るほど、こぼしてないだろー?!(僕)

 

 

 

 

妹「うう…ごめんなさい……」

ブツブツ文句いいながら、母親はケータイをいじくっている。

 

 

 

 

妹は涙目。兄は一言も喋らずに、黙々と食べています。

まるでお通夜みたいな雰囲気に包まれたテーブル。

こんな食事、楽しいはずがない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

すると、

母親のケータイが鳴り始めました。

母「ちょっと、お母さん、電話してくるから。サッサと食べちゃってね」

そう言い残して、ケータイ片手に母は店から出ました。

電話するヒマがあったら、我が子としゃべれよ!(僕)

もうちょっと、子どもとの接し方ってもんがあるだろ。

それじゃ、あまりにも可哀想だろ。

子どもがグレてからじゃ遅いんだぞ、ゴルァ(怒)

と、隣のテーブルで、僕はキレまくっていたんですが……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

妹の様子を見て、怒りも吹き飛びました。

そのコは、涙目のまま、一生懸命カレーを食べてたんです。

お母さんの言いつけを守りたいから、ゆっくり食べていたら怒られてしまうから……

味わう余裕もないぐらい、急いで食べてたのです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

でも・・・・・ もともと、食べるのが遅い子なのでしょう。

焦っているからか、口の周りをべそべそに汚してしまっていて・・・・・・

きっと、 それをまた怒られてしまうのに、

それすらも気付かずに必死にカレーをかき込んでいたんです。

目にいっぱい涙を溜めて。一生懸命に・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そのコが健気で不憫で、ぼくは泣きそうになってしまいました。

もうね、この世には親子の情はないのかと、寂しい気持ちになってしまいましたよ。

あんなお母さんはやめて、お兄さんチの子になれと、

そう言って抱きしめてあげたくなったほどです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そのとき!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一言も喋らなかった兄がボソッと言ったのです。

兄「……そんなに急がなくてもいいよ」

妹「え?」

兄「ゆっくり食べな」

妹「で、でも……お母さんが」

兄「いいから。好きなんだろ、それ」

妹「うんっ」

兄は、チラッと母親が出て行った出口の方を確認しつつ…

兄「で? 何があったって?」

妹「???」

兄「学校でいいことあったんだろ」

妹「う…うんっ! あのね! えとね! 今日学校でね!」

妹は、楽しげにしゃべり始めました。

他愛もないことだったんですが、とっても嬉しそうに。

きっと、聞いてもらえるだけで嬉しいんでしょう。

さっきまで涙目だったのに満面の笑みを浮かべています。

兄は、ニコリともせずに話を聞いてあげていたのですが、

兄「そっか。良かったな」

と言って、妹のべそべそになった口元を拭いてあげたのでした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

はははっ!!!オチは無いですよーだ。。。